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国際協力、開発教育、貧困、メディアリテラシー、社会的企業、地域活性化などを、講義・ワークショップで学ぶ通年の市民講座。講師,ファシリテーターによる教材,手法,研修,セミナーの紹介。

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グローバル経済‐国境を越える問題とその構造‐

【概要】
日時:2007年6月16日(土)
場所:東京YWCA 217教室
講師:田中優氏【未来バンク事業組合理事長/ap bank監事/日本国際ボランティアセンター(JVC)理事】

【コンセプト】
グローバリゼーション/自由貿易という名の下に巨大化する多国籍企業。それに伴い、資産の偏りや環境破壊も世界的な問題となっています。具体的な事例を通じてグローバル経済の構造を知り、問題解決への道を探ります。

【講義内容】
<経済クイズ>
今回のテーマである「グローバル経済」について、クイズを行いました。「預貯金額の一番多い金融機関は?」「ODA(政府開発援助)の一番多い国は?」などの質問に、受講生の皆さんは挙手で答えました。

<講義>
当日配布用に準備していただいた資料のボリュームに、まずは圧倒されました。自分達にとっても身近な「ごみ」の内訳から始まり、「リサイクルを妨げる資源の価格破壊」、「その原因であるODAと途上国の債務」、そして「ピークオイル問題」、その結果としての「石油資源の奪い合いと戦争」、「その戦争を支える米国債」、そして「米国債の購入に使われる日本人の預貯金」へ。身近なところから始まった問題が、実は世界的につながっている現状を、とても分かりやすく話していただきました。

後半は、前半で知った世界の現状に対して、田中さんが行っている具体的な活動である、「市民ファンド」や「省エネ家電への買い替え促進活動」のお話や、そもそも田中さんが社会運動をする事になったきっかけのお話などをお聞きしました。

<質疑応答>
受講生の皆さんから集めた質問を分類し、時間の許す限り田中さんに答えていただきました。今までお金についてほとんど考えた事がなかった人も多かったようですが、預貯金も含めたお金の使い道や、情報収集の仕方などについて、多種多様な質問が出ました。

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【受講生の感想】
・普段何気なく使っているお金ですが、自分の知らない所でお金がどういう使われ方をしているのか知る事が出来た。仕事がお金を取り扱う事なのに、知らない事が多く、もっと情報を集めないといけないと思った。

・今日の授業は、泣きそうになったり、わくわくしたり、大忙しでした。ちゃんと考えなきゃです。難しかったけど、話が聞けてよかったです。

・自分の目に見えるところ(例えばお金を使うとき)には、きちんと考えて行動できることが、自分の目で見えてないこと(例えばお金を預けるとき)には、とたんに何も考えていなかったのが恥ずかしいです。ない頭で知恵をしぼっていきたい。

【運営委員より】
「口でいくら主張するより、実際に買い物や預貯金などの『お金』という意思表示の方が、はるかに力がある。」穏やかに語りかける田中さんの話す内容の重要さに、深くうなずく人、難しい顔でうなっている人など、聞く側の反応も様々でした。また一つ、新しい視点に気づける講義でした。

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国際協力と地球市民社会

【概要】
日時:2007年6月2日(土)
場所:東京YWCA
講師:山崎唯司氏 【(特活)国際協力NGOセンター(JANIC)理事】

【コンセプト】
環境問題、民族対立、貧困といった国内外の開発課題に対し、日本の「市民」はどうしたらいいのか?そして市民は「社会」をどのように構築したらいいでしょうか。講師のNGOでの経験から、ともに考えます。

【講義内容】
<オリエンテーション合宿の振り返り>
アジア学院でのオリエンテーション合宿後、一週間ぶりに東京のYWCAで行われた最初の講義でした。初めにオリエンテーション合宿の振り返りを机ごとのグループに別れて行いました。合宿で体験・実感したこを話したり、合宿には参加できなかったメンバーへ体験や感想の共有したりする時間をとり、各グループで話した内容を全体に発表しました。

<講義前半 ~21世紀の地球社会 あなたはどういきますか~>
合宿の様子を思い出し、全体が和やかな雰囲気になったところで、山崎氏の講義に入りました。講義の前半は、山崎氏と受講生全員で「21世紀の地球社会 あなたはどういきますか。」という問いのシートを一緒に取組み、それぞれシートにあらわされた数字に対し、その数値が地球上の何を示しているのか考えました。

その後各自で、世界の課題と私のつながり、これからの社会をどうしていきたいかについて、人に伝えるためには、どのように伝えたら伝わりやすいのか、紙に言葉として書き出しつつ考えました。中学生にも伝わるわかりやすい言い方や、実感を込めて伝えるためにはどう表現したらよいのか真剣に考えていきました。

<後半~親の顔が見てみたい~>
休憩をはさみ後半は、前半に行った「問い」に対する山崎氏自身の考えを伝えてくださいました。『持続可能性』とよく言われるが、実際にはどのようなことなのか。参加者自身も話し合って考える時間をとり、どのような言葉や意味を持つのか考えました。

また、山崎氏の幼少期の体験を振り返り、昔よく言われた「親の顔がみてみたい」の言葉の裏側にある人と人との繋がりについてお話してくださいました。そして、一緒に生きている人をどれだけ見渡せるかという点は国際協力も同じであるとまとめてくださいました。

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【受講生の感想】
・自分自身も、凝り固まったフックの持ち主だということを痛感しました。普段の生活で、身近な人や物からもっと周りを見つめ直してみたいです。

・本当の国際協力とは何なのか、今回の講義を通して考えさせられた。持続可能な社会の必要性を強く感じた。ありがとうございました。

【運営委員より】
今回は、山崎さんの体験談など多く含まれており深みのある盛りだくさんの講義でした。人それぞれ別々の『心のフック』を持っているというお話を初めとして、『持続可能性』を考えるときに山崎さんが言われた「すべての人が平等で 人としての尊厳をたもち 健やかで 将来に希望をもって 生きながらえる社会」という言葉がとても印象的でした。

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オリエンテーション合宿「命、文化、環境‐私と地球の上の全てのつながり‐」

【概要】
日時:5/25(金)20:30~5/27(日)15:00
場所:(学)アジア学院(栃木・那須高原)
講師:高見敏弘氏(地球市民アカデミア校長/アジア学院創設者)、野崎威三男氏(アジア学院校長)

【コンセプト】
「共に生きるために」をモットーに掲げるアジア学院で、農作業や動物の世話、諸外国研修生との交流、地球環境の講座を行います。それらを通して「私と地球市民社会とのつながり」「命」について考えます。

【プログラムの様子】
(1日目)
<交流会>
毎年、地球市民アカデミアはアジア学院での合宿から始まります。
初めての顔合わせという事で、緊張気味の受講生のみなさん。その緊張を和らげようと、ゲームや自己紹介を準備して待ち構える運営委員。14期としてのプログラムがスタートしました。

いろんなゲームを行いましたが、中でも盛り上がったのが『自己紹介ゲーム』。服のバトンを受け渡しながら、初めての参加者の名前を次々に呼び合っていきます。笑い声も絶えず、和やかな雰囲気で進行しました。

アジア学院のスタッフの方より、施設の説明を聞いた後は、翌日のインフォメーション。6時起床&ラジオ体操で、さわやかな朝を迎えられるはず!?

(2日目)
<ラジオ体操・フードライフワーク>
6時半にアジア学院のグラウンドに集合。アジア学院の日課であるラジオ体操に参加しました。各国からの研修生、職員の方たちと一緒に気持ちよく朝を迎えました。続けてグラウンド周辺の草取り・掃除をした後、毎朝夕の日課であるフードライフワークへ。畜産(牛・豚)、野菜、魚、鶏のグループに分かれて、大切に育てている動物、作物のお世話をしました。短い時間でしたが、いのちに触れ合うひとときを過ごしました。

<開講式・14期オリエンテーション・講義>
14期地球市民アカデミアの開講式は、アジア学院セミナーハウスで行いました。校長である高見敏弘先生(アジア学院名誉校長)にお越しいただき、アカデミアに対する期待、いのちをいただくということ、田植えについての思いなどを話していただきました。

午前中は、続けてアジア学院の野崎校長の講義でした。アジア学院が目指していること、食をめぐる現在の状況などについて、丁寧に説明していただきました。受講生はみんな、熱心に聞き入っていました。

<アジア学院見学・昼食>
昼食前に、アジア学院をぐるっと一周見学しました。職員の方に説明していただきながら歩いたのですが、家畜、野菜、バイオガス、堆肥などがうまく循環するように考えられていることにびっくり。「いのちをいただく」こと、「共に生きるために」というアジア学院のモットーについて、実際に身体で感じながら考えることのできたひとときでした。

昼食は、アジア学院のコイノニア食堂で職員や研修生の方たちと一緒にいただきました。アジア学院産の食材も使った手作りの料理を囲んで、参加者同士や研修生との話で楽しい時間を過ごしました。

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<農作業>
午後のワークは田んぼの補植。裸足になって田んぼに入りました。暑い中での作業でしたが、みんなで1本ずつ丁寧に苗を植えていきました。

<交流会・懇親会>
2日目の夕食にはアジア学院の研修生を5名招待し、交流会をもちました。ワークでお腹が空いたのか、みんなすごい食べっぷり・・・手作りの料理を囲んで、いろんな話に花が咲きました。途中で研修生の方たちに自己紹介をしていただいたり、みんなでジェスチャー伝言ゲームを楽しんだりしました。カタコトの英語でも、言葉を使わなくても、いろんなかたちで交流をすることができました。最後には研修生の1人がマジックを披露して下さり、大盛り上がりでお開きとなりました。

その夜の懇親会でもその盛り上がりは続き、みんなで楽しい時間を過ごしました。

(3日目)
<農作業>
2日目の農作業は宿泊しているセミナーハウス横にあるブルーベリー畑の草取りです。
まだ緑色をした小さなブルーべりー、その周りに生えているたくさんの雑草を引き抜く作業が行なわれました。炎天下での作業であったため、途中お茶を飲みながら休み休み、おしゃべりをしつつも真剣に行ないました。最後にはほとんどの草が取り払われ、雑草が生えただけの草っぱらのようだった畑が、見た目にもブルーベリー畑へと大変身。紫色の大きな実をつける日が楽しみです。

<ひとり散策・振り返り・個人発表>
3日目お昼前から午後にかけて、出会って3日目とは思えないほど、和気あいあいとした雰囲気の中、自分と向き合い、仲間と語る中で3日間のふり返りを行いました。

お昼ごはんの前は、30分の一人散策。アジア学院の敷地内で思い思いに時間を過ごしながら、3日間感じたこと、思ったことなど、それぞれに時間を過ごしながらふり返り、これから1年へ向けて、思いを整理しました。

午後は、考えたことをもとにみんなで話し合って共有。できて嬉しかったこと、楽しかったこと、できなかったこと、やってみたいことなど、それぞれが率直に感じた事を共有し、最後に一人ひとり、今後へ向けた思いを発表しました。

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