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地球市民アカデミア > 過去の活動 > 11期(2004年度)

国際協力、開発教育、貧困、メディアリテラシー、社会的企業、地域活性化などを、講義・ワークショップで学ぶ通年の市民講座。講師,ファシリテーターによる教材,手法,研修,セミナーの紹介。

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企業と市民の社会的責任

講師:菊地健氏(松下電器産業株式会社 社会文化グループ/CSR担当室)

社会の中で「企業」とはどのような存在なのでしょうか? 私たちとどのような関係があるのでしょうか?企業や市民が社会に対してどのように責任を持ち、協働しながら貢献していけるのか、私たちの積極的な関わり方を考えます。

【講義内容】
松下電器産業の普通の新製品開発員であった菊地さんに、今まで(CSR担当室に勤めるに至まで)に行ったことを自作ビデオと共に具体的に語って頂きました。

障害者にやさしい調理器への取り組みやアースデイおおさかへの参加、NPOの経営基盤強化のための助成金制度の設立等、今となっては当たり前のものもあれば、斬新なものまで活動内容は様々でした。その中で、企業が社会に対して(CSR)というよりも企業にいる個人が社会に対して何が出来るのか(PSR)を考えさせられる講義となりました。

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【受講生の感想】
・企業による社会貢献活動というと今までは生産活動による環境への悪影響の罪滅ぼし的な意味合いが強い気がしていたが、CSRはそこからさらに一歩も二歩も踏み込んだ動きであることが分かった。市民活動を応援するだけでなく、企業として独自のプログラムの創造、開発こそ真のCSRではないかと思った。そこに自分がどう関わっていけるのかを考えたい。

・社会人生活を始めて1年半。本当に自分のやりたいことは何かと考えるようになった。このいびつなどこか無理のある世界。それを少しでもいい方向に向けていくプロセスに自分も関わりたいと思う。今の社会を変えるには、一人一人のライフスタイルを変えていくしかない。人と出会うことで人は変わると思います(もちろん悪い方向にも)。

・大企業であればCSRを意識するだろうが、日本の企業はCSRなんて考えていけるのだろうか・・・?

【今日の一言】
企業の社会的責任(CSR=Corporate Social Responsibility)と同様、個人の社会的責任(PSR=Personal Social Responsibility)も大切!

学び・生きる場の発見

講師:下羽友衛氏(東京国際大学)

ひとりひとりが思い巡らす「なぜ?」という疑問は学びの出発点です。それが、自分から他者・社会につながっていき、大きな力になっていくのではないでしょうか。私たちがこれから学び、生きる場をつくるために、自分と世界のつながりを知り、知識と行動を結びつけていきます。

【講義内容】
「自分らしく生きることとは?」「市民が自ら考える力をつけることとは?」との問いが常に念頭にあった。

前半の講義では、下羽さん自身の「?」やそれについての学び方、そしてそれの広げ方、問題解決能力を上げることとはについて語っていただいた。また、日本とドイツの学生を比較し、日本の市民がいかに育っていないか、知識不足が露呈されたことも実体験をもとに話された。

後半の講義では下羽ゼミについての解説。統計を用い、行動へのきっかけ作りとその影響力について語られた。考えるための思考力を養い、具体案を作成する力、発信していくこと、地球市民として出来ることとはどういうことか、示唆を得た思いだった。

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【受講生の感想】
・知識と意識と行動をつなげることや批判的にものを考え、具体案を策定する力をつけていくべきだと思う。ホンモノに触れることによって関心のない人の目が開くことがあるのなら、関心のない人たちにそのきっかけを与えるべきだと思った。

・現場体験ですよね。現場には理屈を越えて訴えてくる力がある。それで、無気力だった若者が「よみがえる」というのは分かるような気がする。私も現場に行きたくなった。

【今日の一言】
私たちが変わる、私たちが変える。「ただ○○をした」ではなく、そこから何を感じたか、何を学んだかが大切。自分の生き方を見つける旅をする。

世界の読み方・語り方

講師:野中章弘氏(アジアプレス・インターナショナル代表)

多様なメディアを通して私たちは溢れる情報に接しています。しかし、それらを多面的に受け止め、「真実」を見出していると言えるでしょうか。イラクや北朝鮮などの報道を通して情報をどう読み取り、語っていくかを考えます。

【講義内容】
前半はイラク戦争に関するアンケート・クイズから受講生の平和と戦争についての質問から始まりました。人々は平和を望んでいるのに、戦争が起きるのはなぜか。平和の為に戦争をするという事は一体何を意味しているのか、またその矛盾の満ちた戦争はメディアを通してどのようにして私たち受け手側に届くのか。イラク戦争の新聞やビデオを教材に講義は進みました。

後半ではアジアプレスは何を社会・世界に発信するのか、また野中さんご自身がジャーナリストである事の意味等、熱く語って頂きました。また質疑応答で「バランスのとれた情報を取得する為にはどうすればよいか」という問いに対しては、考える力(読む力・書く力)「思考の筋肉」を付ける事が重要と仰っていました。

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【受講生の感想】
・今回の野中さんの話には非常に共感を持ちました。まずメディアの在り方と味方について。様々な立場のメディアがあることは仕方がない。それを見聞きする人が自分で考える力を持って、疑問を感じ続ける、そして別のメディアを模索し、さらに考え続ける。これが遠回りのようで、やはり唯一の正しくメディアを見る方法だと思います。

・「戦争を根源的に考えてみよう」最初にホワイトボードに書かれた言葉は、戦争ということだけでなく、あらゆる問題に対しても言えることだと思った。問題はどこにあるのか、矛盾があるなら、その理由を突き詰めていく、そんな問題の捉え方(考え方)をすることが必要だと思った。

【今日の一言】
自分の頭で考える力を身に付けてほしい。モノの最後は自分で考えて、マイノリティになることを恐れず、自分の考えを恐れず、個が出せるように頑張って下さい。モノを考える人間になって下さい。

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