講師:田巻松雄氏(宇都宮大学)
【講義内容】
これまで野宿者の問題は、その人、個人の特殊な問題としてとらえられてきた。しかし最近、増加傾向にあるこの問題は、社会構造や産業構造の変化という社会的な問題としてとらえていかなければならない。便利な労働力として短期、低賃金で働かされてきた野宿者と非合法移民は今、社会の変化の中でそのつけを払わせられている。
我々は今後、貧困という問題に対して海外の問題だけにとらわれることなく、国内問題に対しても目をそむけることなく、偏見で語られる人々の現実を見ていくことが必要であり、彼らとどう向き合っていったらよいのか、多元的に物事をとらえていかなければならない。