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貧困‐格差に隠された問題‐ - 地球市民アカデミア > 過去の活動 > 14期(2007年度)

国際協力、開発教育、貧困、メディアリテラシー、社会的企業、地域活性化などを、講義・ワークショップで学ぶ通年の市民講座。講師,ファシリテーターによる教材,手法,研修,セミナーの紹介。

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貧困‐格差に隠された問題‐

【概要】
日時:2007年7月14日(土)
場所:東京YWCA 217教室
講師:湯浅 誠氏【NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長/便利屋あうん代表】

【コンセプト】
豊かな国と言われている日本。「格差」「底上げ」といったことが盛んに議論される中、そこに隠されている貧困の実態は?日本の中にもある貧困問題を通じて、なぜ貧困が生まれるのか、私たちに何ができるかを考えます。

【講義内容】
≪導入≫
自分達の最低生活費を計算してみよう。最低生活費計算シート(簡易版)を基に、最低生活費を計算。一人で生活する場合、家族や子どもがいる場合には、どれくらいが必要なのかを考える。ここでは、計算を簡単にするため、基本的な基準分類と「児童養育加算」「教育扶助」「住宅扶助」だけで計算書式を使いました。

≪講義≫
「現代日本の貧困 迫り来る〈貧困〉に、私たちはどう向き合えばいいのか」ということについて、様々な事例をもってお話しいただきました。

まずは、用語の問題として:
「ホームレス」と「野宿者」、「ネットカフェ難民」という言葉が使われているが、その言葉の意味する内容について。今の日本では、公園・河川敷や路上で生活する人だけをさして「ホームレス」と呼ぶことが多いが、「ホームレス」であるという状態はどういうことなのか。

「居住のグラデーション」 路上で暮らすということと、住む家があるという事の間には様々な居住形態がある。制度として、生活保護、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法、ホームレス自立支援事業などがあるが、これらがどのような状況にあるか。

また、「貧困」が見えづらくなっている理由として、政府・マスコミ・市民・本人の「四重の否認」があるということをお話いただきました。最近の動向として、テレビで取り上げられるようになってきていること。格差から貧困(貧困を含む格差)へ実感を伴っての関心へと変化している。

そして、人はどうやって〈貧困〉まで追い込まれるのか。さらには、〈貧困〉とはどのような状態なのか。そして、自分たちには何ができるのか。順を追って丁寧にお話いただきました。

最後に、湯浅さんがこのような活動に関わる様になったきっかけなど、ご自身の体験についても語っていただきました。

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【受講生の感想】
・自己責任論が生まれるのは相手のバックグラウンドを見ていないからだと思った。そのためには自分で行って、見て、しゃべるのが大事やってことをあらためて感じた。

・貧困って、遠い国でのことと思ってた。日本は貧困を隠そうとしているって言葉に納得。

・貧乏と貧困の違いを教わったけど、まだよくわからない。みなさん、最低生活費を下まわったら生活保護をうけますか?

【運営委員より】
この講義の前の週に、北九州で生活保護打ち切りによる餓死者がでた。今まで、見ようともしなかった身近な問題が、徐々に深刻な状況へ進んでいる事をしった。知らなかったというよりも、知ろうとしなかった/知らされてこなかった問題について考える機会になった。

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