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地球市民アカデミア > 過去の活動 > 14期(2007年度)

国際協力、開発教育、貧困、メディアリテラシー、社会的企業、地域活性化などを、講義・ワークショップで学ぶ通年の市民講座。講師,ファシリテーターによる教材,手法,研修,セミナーの紹介。

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プレゼンテーション合宿

【プレゼン合宿 グループ発表】

合宿の簡単な説明の後、1日目のメインであるグループのプレゼンテーションが始まりました。50分の発表と10分の質疑応答。後期の共働学習での成果を、3グループとも劇やパワーポントなどを駆使して発表していました。

《チームMI》:貧困や食について考えたグループ。フェアトレード商品の妥当性を一緒に考える劇の発表をしました。生き生きとした発表から個人だけでなくチームだからこそできる共働学習の醍醐味を感じました。

《まさひろファミリー》:「あったかいつながり」をキーワードに活動したグループ。田舎での農業体験やスローカフェを通じて、自分たちから「あったかいつながり」を作っていくためにどうしたいいのか考えた様子がよく伝わってきました。グループで1つの家族のような温かい様子が伝わる発表でした。

《幸せになるための総合学習》:教育にスポットをあてたグループ。教育関連のシンポジウムや学校見学、アンケートなどを通じて「教育」について深く考えた様子が伝わってきました。共働学習を終え、グループの1人1人が教育観について発表している姿が印象的でした。

各グループとも、それぞれのテーマに楽しくも真剣に取り組んだ姿勢を、発表を通じて感じました。自分のグループの発表だけでなく、他のグループの発表に対しても活発な質疑応答がでるなど密度の濃い時間になりました。

【共働学習ふり返り】
1日目の夜は、共働学習のふり返りを行いました。

まず、各グループごとに島にわかれ、プレゼン時のフィードバックシートの読み合わせを行いました。次に、チームを混ぜて4人ずつ3つの島に分かれ、自分にとって共働学習とはどうだったのかについて振り返りました。

自分にとってよかったと思うことをポストイットに書きだし、グルーピング。次に、もっとこんなふうにすればよかったと思うことをポストイットに書きだし、グルーピングをしました。その二種類の模造紙を並べてグループで話し合った後、各グループで出た意見をみんなで共有しました。

◆受講生の意見
・みんなが一緒だからできた、一人ではいけないところにいけた。
・もっと積極的に役割分担・発信をすればよかった。
・出会い、ということが一番自分の中でおおきい。仲間ができた。改めたかったことは情報の共有。欠席者への情報共有が、メールだと伝わりづらく情報の共有をもっと密にすればよかった。
・いろんなバックグラウンドのある人たちと出会えたことがよかった。普段の生活の中では出会わない人たちと出会えたことがよかった。自分の考え以上のものをもらえて勉強になった。
・意見の共有、がもっとよくしていきたいところ。この一年足らずではまだまだ意見を共有したりていない。今後何年もするうちにもっと意見を共有していきたい。
・活動や意見出しをもっとはやいうちからしていけばよかった。衣食住を一緒にするとぐっと距離が縮まる気がする。これからも継続的にやっていく、という思いを持てた。

◆ワークをしての受講生の感想
・自分の考えていることについて、他の人の意見をもらうことで一連のフローや課題がみえた。
・他のグループも同じことで悩んでいたことに気づいた。逆に違う点で悩んでいたことがわかったのも新しい気付き。
・結果がすべててはない、過程がとても大切ということを感じた。
・もうむり!やってられへんって思うことがたくさんあった。ひとつのことをやり遂げるのが大変だと思ったけど、向き合うこと諦めずにやることで結果が出せるんだなということがわかった。
・今日こうして思いを共有できた。今振り返ればああすればよかった、ということもあるけど、最初は必死だったし遠慮が抜けなくてもがいてた。 そのもがいた時期を共有できたからこそ今がある。今だから、ここからだから言えることがたくさんある。これからが楽しみ。

◆運営委員の感想
4人ずつという適当な人数で、活発に意見交換がされている様子でした。短時間のうちにみんながしっかり意見をまとめあげていました。

【天職探し】
プレゼン合宿の最後には、みんなから自分がどんな職業に向いているかを考えてもらう天職探しをしました。

まず、自分の長所をたくさんあげてもらい、その長所を生かせる職業をいくつか考えてもらいました。そのうえで、自分がこれはと思う職業を一つだけ選び、その職業をしている自分を想像して、それを絵に表しました。

自分が知らない長所を人から言ってもらうことで様々な気付きが生まれ、自分について改めて考える機会となりました。「ソーシャルワーカー」「ジャーナリスト」「旅人」「教師」など一人一人が様々な職業で活躍しているところを思い描き、自分なりの社会貢献の仕方について考えられました。

中間発表

後期・共働学習の中間発表を行いました。これは、グループのテーマ・進み具合・悩みなどを他のグループのメンバーと共有したり、新しいアイデアを募る場として、共働合宿の中間に行っているものです。

全3グループがそれぞれ、質疑応答と合わせて25分の発表を行いました。

【グループ1:まさひろファミリー】
・グループ活動を進めるにあたり、みんなから出た意見をマッピングした。「農業」「教育」「自然」などいろんな意見が出た中で、「つながり」というキーワードに着目。「あたたかいつながり」が中心テーマとなった。

・テーマを通して具体的にやりたいことは次の4つ。[1]『あたたかいつながり』を考える、[2]農業企画、[3]カフェ企画、[4]ヤンヤン広場、[5]裏づけや理論を検証する

・今後は、[2]と[3]の体験を通して、共同作業の場である[4]の実現を考えていく。また、アウトプットとなる冊子を作成する。

【グループ2:チームMI(エムアイ)】
・チーム名が決まった。

・最初は、みんなの興味あるものを書き出し、KJ法を使ってまとめようとしたが、難しかった。そこで、「どういう貧困があるか」というテーマについてまとめた。そうすると、いろんな要素がサイクルでまわっている事に気づいた。

・そこで、「食」をテーマに「貧困」を考えていく事にした。①貧困の「解決法」を考える、②貧困の「原因」を考える、の2つについて、それぞれ現場へのフィールドワークやNGO訪問を行う予定。

【グループ3:幸せになるための総合学習】
・そもそも、「毎日の暮らしの中で幸せを感じているか」という疑問が発端。日本の自殺率は高い。もし理想的な教育があるなら、それを知りたいと思った。

・教育の現場訪問や、シンポジウムへの参加、ユニークな学校の卒業生への追跡調査などを考えている。今後も積極的に現場を訪れたい。

・調べていく中で、一人一人の興味が多様化してきている。各自でも深めつつ、テーマの追求を続けたい。

秋合宿「自分と向き合う‐足もとをみつめて‐」

講師:石川一喜氏【拓殖大学講師】

前期の講義を通して私たちは何を感じたのでしょう?世界にある様々な問題に向き合い、何をしたいのでしょう?自分の興味・関心に向き合い、自分の足元から何ができるのか、後期の共働学習に向けたグループ作りを通して考えます。

【プログラムの様子】

(1日目)
≪前期振り返りワーク:アカデミアマップ≫
まず個人で各回の講義から思いつく単語・キーワードをあげていくワークを行いました。会場がとても静かになるくらいみんな真剣に取り組んでました。

そして次に数人で組んだグループで、まずそれぞれが考えたことをシェアし合って、挙がったキーワードをマッピングでまとめ、グループとしての各回のキーワードをあげていきました。終わりに各グループで出てきたキーワードを発表し合いました。

≪興味を見つめ直すワーク≫
はじめにワークの導入として個々が「自分はこんな社会にしたい」と思うことを25個とにかく書き出す作業をしました。なかなかやってみると25個だすのは大変でみな挌闘してました。そこから特に重要視する項目をあげ、それをグループ内でおのおの熱く語り合いながらシェアし合いました。

そこから今度はグループ内で1人のシートを他のメンバーが見ながら「井戸端会議」「うわさ話」をするというワークをしましたが、最初遠慮気味だった「うわさ話」もだんだんと板につき盛り上がってました。対象になったメンバーは話を聞き漏らさないでその様子を聞いてましたが人によっては自分の知らない気づきや、意外な見られ方を知る機会となったようです。

≪合意形成のワーク≫
初日の夜には石川講師のファシリテーションのもと、グループに分かれてのワークショップが行われました。

まず、それぞれがどういうことに興味があるか、テーマとしたいかを発表しあった後、5人ずつのグループに分かれ、「協力の四角形」のアクティビティを行いました。これは、参加者5人それぞれが数枚の平面図形を渡され、お互いにしゃべることなく、部品を交換し、5人とも同じ図形を完成させる、というものです。交換の際には参加者間での直接のやり取りは認められておらず、自分が不要なものをグループの中央に置き、必要と思われるものを中央からもらわなければいけない、という条件も課されています。

図形が比較的早く成功したグループと、なかなか形にならなかったグループがあり、その理由を考えます。できなかった理由には「(こういう形になるのではという)思い込みを崩せなかった」という意見が挙がっており、早くできた理由としては「周りを見るようにした」というのが挙がっていました。また「話して伝えられないもどかしさ」も出されていました。全体での振り返りでは、「ひとつのアイディアに固執すると進まない」「(参加者間で)定義がそれぞれ違う」「周りを見るべき」といったことが挙がりました。

次いで「月で遭難したら」というアクティビティを行いました。宇宙船が月面に緊急着陸し、生き残るために母船にたどりつかなければなりません。そのために必要なものを、与えられた15品の中から順位付けしていくというものです。最初は個人で、次にグループで相談しながら順位付けを行いました。NASAが出しているという「正解」と比べたところ、多くの人は、相談した場合に、より正解に近い順位付けを行っていました。

そこで石川さんから、集団での討議によって、個々人の知見の最大値よりも優れた結果が導かれることが多い、という研究がなされている、という指摘がなされ、共働学習の価値が説かれました。

3番目と4番目のアクティビティは、合意形成のアクティビティでした。携帯電話や優先席での居座りなど、車内での迷惑行為にグループで順位をつけるものと、日本全国の自販機の台数を推測するものです。しかし、そこには仕掛けがあり、何人かの参加者には、議論をかきまぜたり、円滑にしたり、という役割が前もって与えられました。

自説にこだわり続ける参加者の配置されたグループで、話し合いが険悪になったという意見が出された一方で、妥協しない人のおかげで、かえって早く意見がまとまった、というグループもありました。それに対しては、それぞれの議題は内容が異なるので、影響の与えられ方が違うのではないか、という意見が出されました。

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(2日目)
≪他者理解のワーク≫
講義の最初に,先日配布された「他者理解のためのキーワード」が書かれたカードについて触れる。(一人2枚のカードを受け取り、両方に、自分が合宿中に他者理解に向けて目指したい目標について書き、1枚は、他の人とシャッフルして交換。自分の目標と他の人の目標の2つを持って合宿を過ごそうということになっていた)

それを昨日の夜到着した方に記入してもらっている間、朝ワークについての説明を参加者にしてもらう。-「秋」にまつわるものをみつけ,色鉛筆でその絵を描くというワーク。

石川さんのジョギング話とストレッチを経て、午前中のワークに入る。

グループをシャッフル,4グループに。出身地の東西南北,血液型のA,B,AB,O,など4つに分かれられそうなキーワードを出し、実際に分かれてみることによってウォーミングアップ。最終的に通し番号で4つのグループに分かれる。

9:25~
「他者とは誰か」のブレインストーミング。それぞれが定義する「他者」との距離を埋めるための話(老婆と貴婦人の絵を切り口に)。見えなかった一面、見えている一面を知る。貴婦人にとらわれて老婆が見えないことを認識。

パスタは小麦粉から?“パスタは摘まれている”BBCのビデオから。本物っぽい演出をどこに感じたか。
→真剣さ,ナレーターの落ち着き,低い声,映像,描写,権威。人も一つのメディア。情報を媒介する。

「話を聞く」ワーク(傾聴)
向かい合わずに話を聞く。相槌によって“理解されている”と認識できる。言い方,表情,トーンによって伝わりかたが変わる。いろいろなこと(言葉だけでなく、ノンバーバルな部分)に気を配ることの必要性。口を使わないcommunication。

話してはいけないゲーム 各自がルールブックを熟読して行うバーンガ

石川さんの自分史。幼少~病との闘い。人はみな存在の証明を欲しているのではないか?という話から、鹿川君の自殺の話(葬式ごっこ)につなげる。
→音声としての彼の声を「聴」けていたひとがいなかった。心の中の声なき声をどう聴くか。
→「フォトランゲージ」普段目にしているもの,見えていないものがある。真実の声を拾う、真実を見ようとする(他者理解の重要性についてお話)

「他者理解」のためのそれぞれの目標と、他のもう一人の目標の紹介

自分のことを知ってもらう/自分に置き換えて考える/何かを共同でしようとしたとき他者と違う動機がある。/プラスに行くような思考/自分の受け皿を広げる/理解しようとする/相手の気持ちを思いやる/自分の意見をきちんと伝える/意見を最後まで聞く/相手に心をひらく。受け入れる、いい顔をしない/人に特定のキャラを求めない/人を思いやる/自分の心を開き,相手の心を開かせ,行動も見る/理解する目的で人を見る/他者を理解しようとする/自分の受け皿を広げる/意見を最後まで聞く/自分から心を開く、心を見せる覚悟をする/誰彼かまわず好きになることはできないが、理解はできる/ひとの話を聞く/他者に興味を持つ、自己開示/相手を信頼/心を読む/自己開示/他者を尊重する/特定のキャラを求めない/その人の環境,立場を知る

まとめ
他者理解~相手は自分の鏡。“自分を別つ”自分のフィルターを通して他者を見ていることに気づく。
(北村さんの回に少しお話のあった)ジョハリ(それぞれには、自分にも他人にもわかっている窓、自分は知っていて他人が知らない窓、他人は知っていて自分で気づいていない窓、自分も他人も気づいていない窓という4つの窓があるとするもの)について説明。お互いが関わることで、気づいてない部分を開拓していくことができる。

≪グループづくり≫
まず、合宿に遅れてきた人にテーマ発表をしてもらいました。次に、デートゲームを行い、自分のやりたいテーマを二人でペアになって交互に話し合ってもらいました。当初設定していた一分間ではおさまりきらないほど、みんな熱心に話し合っていました。

それから、テーマを見つめなおす時間をとり、前の時間で話し合ったことを踏まえて自分のテーマを自分自身で見つめなおしてもらいました。隣にいる人と話したり、自分一人で考えたり、自由な雰囲気の中で行ないました。

そして、グループづくりに入ってもらいました。ここでは自分のテーマを似ている人との話し合いを通じて、テーマをより深く掘り下げていき、まだ流動的ですが、大まかにグループを作ってもらいました。当初は4つのグループができましたが、最後には3つのグループになりました。最後に、テーマを一人ずつ順番に発表してもらう個人発表をしてもらいました。

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